2012年3月23日金曜日

可変フォーマットの愉しみ


ミラーレス機には、ささやかではあるが結構使えて楽しい機能がある。それはクロップによるフォーマット変換。コンパクトデジタルカメラでは05年くらいから存在するが、レンズ交換式デジタルカメラでは一部の一眼レフを覗いてミラーレス登場まで実用的なクロップ機能は少なかった。この機能はLVファインダー機が機構上、有利なのである。




オリンパスでは”デジタルテレコン”、パナソニックでは”EXテレコン”、そしてソニーでは”スマートテレコン”という名称が付いている。これはテレコンの名の通り、焦点距離を1.4倍ないしは2倍に伸ばす。ただし光学的なテレコンバーターとは違い、画像を切り出すことで疑似的に伸ばしている。つまり事実上、センサーサイズを1段、2段と小さくするということになる。




するとレンズの性格が切り出すごとに変わる。まず、イメージサークルが変わるので周辺は切り捨てることになる。また画角も変わる、しかし光学的には同じレンズなので被写界深度は変わらない。そして拡大倍率も上がる。フォーマットが変化しているのだから当然ではある。
例えば、遠近感を抑えて速いシャッターを切りたいが深度も深くしたい、とする。ならば明るい準広角~標準レンズをクロップする。実焦点距離が短ければ深度は深くなる、といった使い方も可能となるわけだ。
もちろん、”邪道だ”だの、”レンズがもったいない”という意見はあるはず。まあそれはともかく、ハマりすぎには注意したい。使いすぎるとなんでもアリになってしまう。現状はJPEGのみの記録ということが、それを物語っているかもしれない(技術的にはRAW記録も可能であると思う)。

上3枚の写真はすべてM.ZD 17/2.8を2倍クロップしたもの。ボディはDMC-GF1で3:2の比率であるから、だいたい2/3型前後のセンサーサイズの2.8MP機ということになる。さて、17/2.8はあまりパッとしないレンズであるが、換算34mmではなく68mmにおける性格はまるで違う。絞り開放から安定して非常にシャープなレンズだ。MTFチャートがすべてではないが、チャート上でも中央付近に限れば解像度はM.ZD 45/1.8より上という事実もある。このレンズの違う顔を覗き見た感じだ。さらに、長めのパンケーキとなり変わり種の一本となっている。

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