2013年10月20日日曜日

大型フォーマットは手放しで良いと言えるのか?


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 135判のCMOSセンサを搭載したソニーα7は、4/3のオリンパスE-M1と大きさも価格もほとんど同じだ。毎回こういった時に、”4/3の癖にデカイ図体なんて”とか”小さくないM4/3なんて無意味”という声をコピーアンドペーストしたかのごとく聞く。確かにα7は素晴らしい。よくぞあのサイズに収めたと言えるし、カメラとしても良い感触だった。またパナソニックのGM1も驚くべき小型化を実現した。このカメラがM4/3という規格の強みであることは間違いない。

 しかし肝心なことを忘れている。あくまでシステムカメラである。レンズシステムを考慮する必要があるはず。今回ソニーが発表したFEレンズ群を見れば解るが、単純にボディと同様に小さくなったと言うことはできないだろう。特に望遠レンズで顕著であり、FE70-200/4は一眼レフ用の同等レンズと何も変わらない。800g以上あるのだ。

 では他のフォーマットのミラーレス用望遠ズームはどうだろう。高性能なAPS-C用である富士フイルムのXF55-200/3.5-4.8Rは500g半ばで85-300mm相当をカバーする。またソニーEマウント用普及向け望遠ズームにはE55-210/4-5.6というレンズがあるが、こちらは350gを切る。

 M4/3に目を移そう。来春に発売が予定されているオリンパスのM.ZD40-150/2.8はFE70-200と同等か、あるいは少し軽いくらいかもしれない。しかし300mmまでカバーし2.8通しである。換算70-200mm間の深度はFE70-200の方が浅いと言うかもしれないが、深度の 深い浅いを選択するのは撮影者の求める表現によって選択するもので、浅い必要がないのであればそれは問題ではない。さらに、500g前後であれば換算600mmまでカバーするズームレンズがオリンパス、パナソニック双方に存在する。また普及帯の300mmクラスであればわずか200gで済む。

 以上のようにシステムとして持ち歩くことを考慮すると、APS-Cや4/3にアドバンテージがある。さらにM.ZD75-300/4.8-6.7やG VARIO100-300/4-5.6といったレンズを満足に振り回すにはE-M1ほどのサイズはバランスが良いのであり、カメラの操作性を考慮するとある程度の大きさに落ち着くだろう。また深度に関しては撮影者の選択するところで、撮影する写真に浅い深度が必要であるか否かである。

 今回違いが分かりやすい望遠ズームを例に挙げたが、フォーマット選択は撮影目的によって最適であると撮影者が考えるサイズを選べば良いのであり、それは画質、深度、画角、可搬性など様々な要素を秤にかけてゆく必要があるのではないか。まあ、私が偉そうに言えることではないけれど。


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