2014年6月14日土曜日

高性能ブリッジカメラの咆哮


雨の住む場所 -The place in which rain lives-


 先日PanasonicからDMC-FZ1000が発表された。FZ1000は1型のイメージセンサに35mm換算で25-400mm相当の画角、F2.8-4の明るさのレンズを持つレンズ一体型のデジタルカメラだ。このFZ1000のポイントはもちろん前述した高倍率ズーム機としては大型のイメージセンサと、全域通して大口径であるところだが、スチルメインのカメラとして初めて4K動画の撮影が可能であり、さらに4K動画から静止画の切り出し、GH4で採用されたDFD(空間認識技術)を用いたコントラストAF、同じくGH4譲りのデジアナフュージョンと言えるUI(ただしタッチパネルは見送り)とてんこ盛りなカメラである。

 
 このFZ1000の導入を検討する際に視野に入ってくる他のカメラとなると、それはSONY DSC-RX10だろう。RX10もまた1型のイメージセンサ、換算24-200mmでF2.8通しのレンズがパッケージングされている。もしこの二台で選択に迷ったならば、望遠域がどれくらい必要か、200mm相当での開放F値、4K動画、動体AF、縦位置でのロー・ハイアングルを重視するか、ボディサイズなど必要なものが備わっているほうを選べばいい。また両方とも必要な性能を満たしているなら感触の合っているほうを選ぶのがベター。

 
 今回発表されたFZ1000、および昨年のRX10はMINOLTA DiMAGE 7に代表される高性能デジタルブリッジカメラの流れを汲んでいると言ってよいだろう。このようなカメラはデジタル一眼レフが非常に高価だった2000年代前半、一台で幅広い撮影シーンをカバーできるデジタルの本格的なカメラとして生まれた。ストロボなどのアクセサリーは既存の一眼レフシステムと共用でき、米国ではプロの仕事カメラとしても活躍したという。フィルムとデジタルの橋渡しにも強力な存在だっただろう。


 このような高性能ブリッジカメラは優秀な描写性能と高い利便性・機能性をワンパッケージで実現していることがなによりの魅力であり、基本的にはほとんどの撮影シーンをカバーすることができる。そのためメインの一台としても頼りになるが、抑えとして持ち歩き、もう一台個性の強いカメラやレンズを組み合わせるなど機材選択の幅を大きく広げてくれるカメラである。


▼製品情報リンク

▼Digital Photography Reviewにおけるレビュー記事(海外サイト)

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